研究課題/領域番号 |
17072006
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
高増 正 物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, グループリーダー (60212015)
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研究分担者 |
今中 康貴 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, 主任研究員 (70354371)
宇治 進也 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, グループリーダー (80344430)
木戸 義勇 独立行政法人物質・材料研究機構, 強磁場共用ステーション, ステーション長 (10013541)
嶽山 正二郎 国立大学法人東京大学, 物性研究所, 教授 (20163446)
黒田 眞司 国立大学法人筑波大学, 准教授 (40221949)
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キーワード | スピン物性 / 量子ホール効果 / 磁性不純物 / 有機伝導体 / カーボンナノチューブ / 磁性半導体 / テラヘルツ分光 / MBE |
研究概要 |
(1)強磁場下での物性研究、(2)スピン物性研究用の試料作製、(3)強磁場下スピン物性研究用の測定技術開発の3点について、それぞれ以下のような成果を得た。 (1)強磁場を用いた伝導電子状態の解明 カーボンナノチューブに対して予測されているアハラノフボーム効果を、単層カーボンナノチューブの可視磁気光学特性から、第2サブバンド間励起子吸収にアハラノフボーム効果によるエネルギー分裂として観測し、電子スピンによるもの思われる吸収スペクトルの微細構造を見出した。 ZnSe系タイプII量子構造においては、光励起された電子-正孔対が極めて長寿命であることをレーザー光により光誘起された電子系に対して100Tを越える超強磁場においてサイクロトロン共鳴現象の観測から確かめた。 2次元有機超伝導体λ-(BETS)2FeCl4における強磁場誘起超伝導相において、超伝導秩序変数が空間的に振動する状態(FFLO状態)の存在を、強磁場下で層状試料の層方向に正確に磁場を印加した状態を実現することにより明らかにした。 (2)磁性系半導体物質の探索 室温において強磁性を示す磁性半導体ZnCrTeにおいて、その結晶の混晶状態と強磁性の発現機構の間の関係を明にした。 YbドープAlAsとGaAsの超格子構造を作製し、光照射によりミリ秒オーダーの長い寿命を持つキャリアを生成することを明らかにした。 (3)強磁場発生および強磁場下測定システムの開発 局所磁場発生装置としてのマイクロコイルパルス磁場発生の可能性を探るため、フォトリソグラフィによるマイクロコイルの作製と強磁場の発生を試み、補助的な手法としてのマイクロコイル磁場が有望であることを見出した。 光スイッチ型テラヘルツ発生および分光装置を強磁場中で実現するため、スイッチングに用いるフェムト秒レーザー光のパルス波形整形のためのフォトニクスファイバーによるパルス圧縮装置を作製し、基本的な動作を確認した。
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