研究課題
21年度においては、カーボンナノチューブを中心としたカーボン系において、強磁場下での研究を主に推進した。100Tを超える超強磁場発生が可能な破壊型コイルを用いた磁気光学測定において、単層カーボンナノチューブの励起子の光学特性、特に、スピン依存の電子物性について多くの知見を得た。また、カーボンナノチューブ試料の配向に対して、溶液中およびゼラチン中でのハイブリッドマグネットを用いた30Tでの磁場配向を行い、ナノチューブの磁気特性に関する詳細なデータを得ることに成功した。このような破壊型コイルを用いた強磁場での光学実験装置として、電磁濃縮法を用いた400Tを超える磁場での測定が技術的に可能となり、磁性半導体(ZnCrTe)の磁気光学測定から、その磁化過程を飽和磁場まではじめて測定することに成功した。新しい研究として、現在注目を集めている鉄砒素系超伝導体に対して、ハイブリッドマグネットを用いた35Tまでのドハースファンアルフェン測定を行い、この系の有する複雑なフェルミ面に関する情報を理論的予測との整合性を確認することにより明らかにした。これまで行ってきたGaAs/AIGaAsヘテロ界面に形成される2次元電子系と量子ドットとの電子相関を明らかにする研究では、ミリ波から遠赤外領域でのサイクロトロン共鳴実験を昨年度より詳細に行い、2種類の2次元電子系、つまり、局在2次元電子と非局在2次元電子系があるゲート電場領域において共存することを明らかにした。その結果、輸送現象において観測されていた特異な磁気抵抗が、スピン相関によるものであることを裏づけた。AIGaAsに希土類不純物であるYbをドープした試料では、昨年度までに得られた電子トラップ状態の情報を下に、Ybを発光中心とする電子デバイスのプロトタイプを得ることに成功した。
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