イオン液体は不揮発性、難燃性で導電性に優れ、しかも再利用可能なことから環境調和型合成プロセスに好適の反応媒体といえる。一方、クリーンな電気エネルギーを用いる有機電解合成には有機溶媒が多用されてきた。イオン液体を電解溶媒に用いれば有機溶媒を使用しない環境調和型有機電解反応プロセスが開発できるはずである。そこで、本研究では、フッ化水素酸塩イオン液体中での様々な有機化合物の電解フッ素化、超音波照射による電解フッ素化の高効率化、イオン液体固定型メディエーターによる電極触媒的脱硫フッ素化、イオン液体中での高分子化合物の電解脱硫黄フッ素化、イオン液体中での環化反応とそのポリマー合成への応用などについて検討し、所期の目的・計画をほぼ達成した。ここで開発した電解合成プロセスは今後、新規医農薬、電池材料・電子材料などの開発に大いに資するものと確信する。
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