研究課題
イオン液体はイオンのみからなる液体とされる。確かに化学式上はイオンからなる液体であるが、どうして溶媒なしでイオン解離できるのであろうか?我々はこの素朴な疑問から「イオン液体とは何か?」という問題にアプローチしてきた。それはイオン液体の多くの特長がこの「イオンの自己解離性(イオン性)」と係わっていると考えるからである。これまでにイオン導電率測定と磁場勾配NMR測定から得られるモル導電率比が、「イオン液体の自己解離性を表すパラメータ」になり得るという観点で研究を進めてきた。イオン液体の性質は、カチオンとアニオンとの組み合わせによって決まるため、無限といえるほどの多様性がある。しかし、欲しい性質の溶媒を使用者がデザインして設計するDesigner Solventや、欲しい機能を設計して持たせたTask-Specific Ionic Liquidを開発するためには、イオン液体の性質を表すパラメータの提出は重要と考えるからである。さらに上記のようなイオン性評価に基づき、イオン液体と高分子やナノ粒子からなる新しい機能材料創製に挑戦した。イオン液体中での網目構造の高分子の合成などにより、高分子網目の中にイオン液体が相溶した新しい固体電解質を開発し「イオンゲル」と名付けた。これらイオンゲルは、柔軟、透明な固体膜として得られ、室温で10^<-2>Scm^<-1>程度の高イオン伝導性を示す。また、サブミクロン~ナノメーターオーダーサイズのシリカ微粒子も同様にイオン液体をゲル化させることを見出した。イオン液体と高分子の複合化、あるいはイオン液体を媒体に用いたコロイド分散系にはその特徴を生かした種々の「機能の創り込みの化学」が可能と考え研究を進めた。
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