イオン液体中における無機・有機物質の電気化学反応 本年度は、金属のアンダーポテンシャル析出とそれに引き続く金属の電解析出についての挙動を調べた。イオン液体の種類や電析条件により、モルフォロジーが大きく変化することを見出し、その挙動を下記の電子顕微鏡観察と組み合わせて詳細に検討した。 イオン液体を利用した電子顕微鏡観察技術 イオン液体中での電気化学的金属析出を、走査型電子顕微鏡(SEM)でリアルタイムに観察するための方法を開発した。すなわち、金属析出がイオン液体の表面より1マイクロメートル以内で起こるように設計した電解セルを作製し、金属析出を行いながらSEM観察を行った。セルの有効性を調べるために、銀の析出を行ったところ、小さい過電圧で析出した場合には核生成と核成長による粒状析出が見られたのに対し、過電圧を大きくすると、拡散律速により金属析出が起こるので、針状の形態の金属が析出することによる、樹状の金属成長が見られた。このようにセルが正常に機能していることが分かったので、銅、リチウム等他の金属析出も観察した。
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