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2006 年度 実績報告書

イオン液体を用いた新しい表面処理技術

研究課題

研究課題/領域番号 17073016
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

片山 靖  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (50286639)

キーワード室温イオン液体 / 表面処理 / めっき / コバルト / 鉄 / パラジウム
研究概要

カチオンに1-ブチル-1-メチルピロリジニウム(BMP^+)を用いたイオン液体であるBMPTFSI中において,電極反応の中でも比較的単純な外圏型電子移動反応であることが知られている鉄錯体を中心に,拡散係数および反応速度定数の決定を行った.鉄錯体のレドックス対としては,[Fe(Cp)_2]^<+/0>(Cp=cyclopentadienyl),[Fe(bpy)_3]^<3+/2+>(bpy=2,2'-bipyridine),[Fe(CN)_6]^<3-/4->および[FeCl_4]^<-/2->を用いた.[Fe(Cp)_2]+および[Fe(Cp)_2]の拡散係数は,両者の相当半径は同じであるにもかかわらず,+1の電荷を有する前者のDη/Tの方が電荷を持たない後者のそれよりも小さくなった.同様の傾向は他の化学種についても見られ,イオン液体中の化学種の拡散は化学種の電荷の影響を受けることが明らかになった.拡散係数と化学種の大きさとの関係については,電荷が同じであれば大きいイオン種ほど拡散係数が小さくなる傾向が見られた.また,拡散係数の活性化エネルギーは15-25kJmol^<-1>と求まり,BMPTFSIの粘性の活性化エネルギー23 kJ mol^<-1>と近い値となったことから,これらの化学種の拡散はイオン液体の粘性の影響を受けているといえる.以上から,イオン液体中における化学種の拡散は,イオン液体の粘性だけではなく,静電的相互作用の影響も受けることが明らかになった.一方,イオン液体中における鉄化学種の見かけの速度定数は,他の有機溶媒中よりも小さいことが明らかになった.速度定数のアレニウスプロットから,[FeCl_4]^<-/2->法を除いて見かけの活性化エネルギーは粘性の活性化エネルギーと近い値となった.このことから,イオン液体中におけるこれらの化学種の再配向エネルギーは小さく,速度定数が他の媒体中に比べて小さいのはイオン液体の粘性が高いことに関連があることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Electrochemical Behavior of Several Iron Complexes in Hydrophobic Room-temperature Ionic Liquids2007

    • 著者名/発表者名
      M.Yamagata, N.Tachikawa, Y.Katayama, T.Miura
    • 雑誌名

      Electrochim. Acta 52

      ページ: 3317-3322

  • [雑誌論文] Electrodeposition of Palladium in a Hydrophobic Room-temperature Ionic Liquid

    • 著者名/発表者名
      Y.Bando, Y.Katayama, T.Miura
    • 雑誌名

      Electrochim. Acta(採録決定)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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