研究課題/領域番号 |
17074004
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
後藤 治 工学院大学, 工学部, 教授 (50317343)
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研究分担者 |
村上 正浩 工学院大学, 工学部, 助教授 (90348863)
大橋 竜太 東京家政学院大学, 家政学部, 助教授 (40272364)
西澤 英和 京都大学, 工学研究科, 講師 (70127116)
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キーワード | 建築 / 都市 / 災害 / 防災 / 防犯 / 歴史的建造物 / 国際情報交換 / イギリス;フランス;ドイツ;中華民国 |
研究概要 |
本研究は、(1)先進諸国の歴史的建築物及び町並に関わる防火・防犯対策調査(総括:後藤、担当:村上、大橋)、(2)中華民国における初期鉄筋コンクリート造建築の調査(総括:後藤、担当:西澤)の2班で研究を行っている。いずれも、国際比較によって我が国の技術革新の特徴を明らかにしようとするもので、国際社会において、(1)は先進諸国との技術競合、(2)はアジア諸国での技術展開を考える上で有益なものと考えている。 2006年度は、(1)については、イギリス、フランス、ドイツにおいて実地調査を行い建築・都市保全に関わる各国の法制度、保険制度、Security管理の実態を把握した。調査の結果、各国における安全確保に対する考え方や、それに応じた技術革新の方向性について、ほぼ解明することができた。各国においては、建築物や町並の個別性に応じた手法が法的に認められているのに対して、手法を提案する技術者や所有・管理する者の責任が問われる形で、我が国のように、法令や告示が示す基準・仕様への依存度が高くない。この成果の一部は、日本建築学会大会において発表・報告を行うと同時に、地方自治関連の学術雑誌に報告を行った。 (2)については、現地研究者と共同で、国際研究交流集会を現地(中華民国台北市・台南市)で開催した。その結果、本研究の意義を相手国に理解してもらうことができたと同時に、技術革新に対する研究の新たな視点を見出すことができた。例えば、両国とも20世紀の初頭に大地震の被害を受けているが、その後に、日本では煉瓦造の建物が無くなり鉄筋コンクリート造の建物が普及することに対して、台湾では、煉瓦造が造り続けられ、煉瓦と鉄筋コンクリートの混構造の建物が増加していく。この両国の違いの原因や背景を探ることによって、技術革新の持つ地域的特性を知ることができる。
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