研究概要 |
本領域は「近年急速に散逸・滅失しつつある膨大な20世紀の技術革新経験の中から有意な事柄を選定し、確保する仕組みを構築し、調査分析することによって、21世紀の技術革新を展望するための方法を提案する」こと、「技術自体の意味付けができる理工系研究者による技術革新の研究と分析、具体的な技術革新情報の収集と知識基盤化を推進する」ことを基本目的としている。 本領域は20世紀の日本で行われた膨大な技術革新の経験を「集積し」、「整理し」、「知識基盤化する」という一連のシステムからなり、(1)日本の知的資産としての「技術革新に関する資料の集積」、(2)20世紀日本の「技術革新の分析」、(3)新たな技術革新に役立つ知識として「技術革新の知識基盤化」の3つの柱によって構成されている。それぞれについて計画研究8課題、公募研究33課題を適宜配置して研究を推進し、膨大な資料集積が行なわれ、様々な研究的な成果を上げた。また各課題相互の連携のもとに全体を推進するばかりでなく、20世紀の技術革新を示す物及び資料の確保と保存活用のシステムもあわせて確立した。このため、集積した資料の保管や情報の発信などの仕組みづくりを国立科学博物館や理工系学協会との連携のもとに検討した。研究成果については、放送大学での「日本の技術革新」講座の開講、「技術の系統化研究成果報告会」(平成21年7月24日)・シンポジウム「日本の技術革新-領域の成果と技術革新学の確立へ向けて-」(平成21年12月16・17日)の開催等を通じて活発に公表する一方で、最終的な報告書として『日本の技術革新大系』をまとめ、これまでの蓄積と成果を明瞭な形に収斂させ体系化,を図った。
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