研究概要 |
国立科学博物館では産業技術の発達の歩みを示す具体的な事物を[産業技術史資料」と位置付け,所在調査を行っている。本研究では産業技術史資料が,技術発達の過程の中でどのように位置付けられるのか,歴史的経緯を踏まえながら整理する。これまでに所在調査を行った89の産業分野から中核をなす技術を選び,技術革新の歴史を整理する(技術の系統化)。 技術の系統化は,実際に技術開発に携わった技術者OBを研究協力者に招聰して行う。また系統化した技術開発史はモノグラフとして蓄積し,今後の産業技術史研究を推し進めるための知識基盤として提供する。 平成19年度は,次の産業技術分野についての技術の系統化に着手した。 (1)紙パルプ,(2)デジタルカメラ,(3)しょう油,(4)電子顕微鏡,(5)アミノ酸発酵,(6)プロセス制御。 また,20年度に技術の系統化を行う具体的な分野を検討し,研究協力者として実際に調査を行う技術者OBを選出した。技術者OBの選出は,その産業分野を束ねる関連工業会の協力を仰ぎ人材を推薦いただき,面談の上,本研究の意図を十分理解し協力いただける人員をリストアップした。 リストアップした産業分野は次のとおりである。 (1)硬度計(試験機工業会),(2)ガスタービン(内燃機関連合会),(3)チタン合金(チタン協会),(4)半導体テスター(電気計測器工業会),(5)ビール(バイオインダストリー協会),(6)高炉計測装置,(7)エレクトロニクスセラミック,(8)真空機器(真空工業会),(9)CD(オーディオ協会),(10)印刷機械(印刷産業機械工業会),(11)水晶デバイス(水晶デバイスエ業会),(12)工作機械(工作機械工業会),(13)強化プラスチック(強化プラスチック工業会),(14)非破壊検査機器(非破壊検査工業会) 20年度は上記の中から7分野を選出し,技術の系統化を行う。
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