研究概要 |
「移動知」の具体的具現化は「種」によって異なってくるが,本研究班では,その中心には共通の原理が存在しているとの作業仮説に立脚する.そのような考えのもと本研究では,他の班によって構築されるそれぞれの想定されている移動主体ごとに内在する移動知の共通原理をさらに貫く共通原理を,力学的アプローチにより解明する.そしてその解明の正当性を示すためにさまざまな「種」のメカニカルシステムを構築し,他の班で得られた知見が内挿できることを示し,さらに外挿することで新しい人工物における移動知が発現できることを示す. 以上の研究目的を達成するために,本年度は,以下のことを検討した. 1)同領域内の他の班における移動知の考え方およびその具体例を調査した. 2)「移動知」の核になる原理を探求する際の指針を検討した。その結果,a)二つの両極端の事例を考えることの重要性,b)制御とメカニズムの合理的なミーティングポイントの存在可能性が認識できた. 3)上のa)b)を考える際の具体的事例として次のような両極端のロボットを考えた.一端は最もシンプルな対象として二脚受動的動歩行機械を,もう一端は,アメーバーのような連続体移動体を考えた. 4)二脚受動的動歩行機械についてはその歩行の安定性の解析,非線形バネを用いた歩行安定化の試みを行った.連続体移動体については構成要素ロボットを複数台構築し,アメーバーロボットの基本構成を行い,基本動作の確認が行われた.
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