研究概要 |
細胞の素機能及び統合機能の制御方式を理解することを目指したシステム細胞工学に関する研究を行っており,ナノ・マイクロからマクロスケールにわたる広域で微細な作業を行うための工学的操作技術(マルチスケール操作)に着目し,これをベースにした工学とバイオ分野,医療分野との融合による学際的な研究を推進している. 本領域では,目的を達成するために3つの研究項目を設定した.研究項目A01は生命機能の再構成と細胞機能の模倣を目的とする.生命の最小単位である細胞に注目し,マルチスケール操作技術を活用することにより,細胞サイズの小胞を反応場とする人工細胞モデルを構築する.研究項目A02は生命機能の環境応答計測と制御を目的とする.マルチスケール操作技術により単一細胞内外を局所環境計測・制御し,細胞を動態解析・観察することにより,細胞内各種構成要素の分子メカニズム・機能発現のしくみを明らかにする.研究項目A03は生命システムの組織構築と制御を目的とする.マルチスケール操作技術により細胞・細胞外環境・組織・骨格基材の構造力学特性と機能解析・制御に基づいた機能的組織の新しい構築法の創製を行う.総括班では各研究グループ間の情報交換を活発化し,本領域の推進を円滑に進めるために助言,評価を行った.領域代表を含む各班のリーダーが中心となって,研究項目間の調整し,協力関係を柔軟かつ円滑に保ち,相互情報交換を通じて円滑な運営を行うための管理監督を行った.評価メンバーは研究全般や方向性,進捗,成果に対して評価及び助言を与えた.本年度は,総括班会議を2回,シンポジウムを1回開催した.また,意見交換の場として,研究会等の企画,組織化を指揮した.(709字)
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