研究概要 |
近年,生命システムの最小機能単位である細胞における環境の解析や制御について研究が活発である.環境を制御することで細胞との相互作用を能動的に引き起こし,その動的な変化を追うことで,新しい発見がなされてきた.しかしながら,電気化学的勾配やイオン濃度勾配などの環境情報を高精度に計測し,またナノメートル精度で空間的に制御することにより,その相互作用を局所的かつ能動的に計測することは未だに不可能である.また,細胞の物理化学特性を低・非侵襲に計測する技術も十分とはいえない. そこで本研究では,材料科学,計測・制御,加工技術を統合して,新規ナノバイオ環境システム技術を確立するために,ナノマニピュレーションに基づいた局所環境計測・制御用バイオナノツールの創製を行った.すなはち,ナノメートルオーダのバイオナノツールを構築し,マイクロメートルオーダの細胞に対して応用することにより,これまで不可能であった局所的な環境情報を計測し,制御する技術を構築した.
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