研究課題/領域番号 |
17076006
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
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研究分担者 |
高井 章 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50126869)
宮津 基 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40396346)
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
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キーワード | ソフトリソグラフィー / polydimethylsiloxane(PDMS) / 機械受容チャネル / メカノバイオロジー / プレーナーパッチクランプ / 高速原子間力顕微鏡(AFM) / 細胞膜裏打ち |
研究概要 |
ヒトの体は外界からの様々なメカニカルストレス(機械刺激)をうけ、適切に応答しながら生命活動を維持しているが、その分子レベルでのメカニズムは十分には解明されていない。本研究プロジェクトでは、PDMS(polydimethylsiloxane)を用いたソフトリソグラフィーを基盤技術として、細胞への伸展刺激の付与とその応答計測に必要な各種要素技術を開発し、それをシステム化することにより機械受容メカニズムの解明を目指して研究を展開してきた。 機械刺激受容チャネルを動的に解析するためには、細胞膜断片に伸展刺激を付与しながらチャネル電流を測定する必要がある。そのため、ゴム弾性を持つPDMS平面パッチ電極により細胞膜のチャネル分子に伸展刺激を与えながら電流計測する手法を検討し、試作機を構築した。パッチ電極に細胞を接着したところ、電極-細胞間は適切に密着されていることが確認でき、さらにイオンチャネル様の電流が観測された。一方、伸展に伴い電極形状が拡大していることが電子顕微鏡観察によって確認でき、細胞に定量的な伸展刺激を与えることができるようになった。 高速原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、大腸菌の機械受容チャネルMscLの野生型と変異株を比較検討することにより、イオンチャネルの開閉の作用機序の解明を目指した。精製したMscLの構造を高速AFMにより比較検討することで、閉状態及び開状態のチャネルの構造を従来のような真空下ではなく、生きた状態として捉えられるようになった。 PDMSによるマイクロフルーディクスの応用技術として、単一細胞の高い空間時間分解での化学刺激に対する応答解析を可能とする系を構築し、刺激応答解析を行った。化学物質に対する刺激応答を細胞スケールに対して微小な領域でコントロールできるようになった。
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