研究課題/領域番号 |
17076007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 研一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80110823)
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研究分担者 |
瀬戸 秀紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60216546)
北畑 裕之 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20378532)
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キーワード | 人工細胞モデル / 自己組織化 / その場観察 / DNA折り畳み転移 / ナノ構造制御 / リポソーム |
研究概要 |
本特定領域研究では、非平衡開放条件下、自ら時間発展するモデル人工細胞系の構築を最大の目的としている。そのために、試験管内における細胞機能複合体の再構築、およびそのイメージング・ハンドリング・物理化学的測定を可能にする系の確立などの基盤的研究も並行させて行う。具体的には,ナノからセンチメータ・スケールの階層的操作技術を活用することによる「試験管内における染色体再構成」、「DNA高次構造変化に伴う転写・翻訳活性の制御」、「モデル細胞系を使った核酸及びタンパク質のダイナミクス」の研究を進めている。 具体的には、試験管内における染色体再構成、DNAの高次構造変化に伴う転写・翻訳活性の制御、モデル細胞系を使った核酸及びタンパク質のダイナミクスの3つの課題を有機的に関連させながら、実験・理論モデリングの両面から研究を進め、主には次のような成果が得られた。 ・細胞を浸透圧により破裂させ、レーザートラップを用いて、細胞内のDNAを輸送することに成功し、また、溶液条件の異なる場所に輸送することにより、凝縮状態からコイル状態への転移を起こすことに成功した。 ・「静置水和法」による巨大ベシクルの形成過程を時分割X線小角散乱を用いて調べ、そのメカニズムを明らかにした。 ・光異性化反応により分子形状(Trans体-Cis体)をコントロールできる光感受性脂質をデザイン・合成し、これを含む細胞サイズのリポソームが光照射による構成分子の構造変化に応じて可逆的に形態を転移させることを見出した。
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