研究課題/領域番号 |
17076008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90346106)
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研究分担者 |
日詰 光治 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (10378846)
竹安 邦夫 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40135695)
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キーワード | ナノパーティクル / 核輸送 / 量子ドット / 疎水性相互作用 / クロマチン / 核内骨格 / 染色体タンパク質 |
研究概要 |
本研究課題は、様々な大きさや材質のパーティクルを生細胞に導入し、複雑なタンパク質機能複合体をパーティクル上に再構築し、その機能解析や細胞内での操作・計測を行う技術を確立することを目的とする。本年度に計画されていた下記研究項目に関する成果は以下の通りである。 ・量子ドットを用いた核輸送経路の1分子解析 これまでに、核移行シグナルペプチドと各種核輸送因子(importin, Ran等)を用いて核内にナノパーティクルを導入する手段を確立した。これに基づき、本年度は、i) アミノ酸の点突然変異により、より高い輸送能を有するimportin βの作成に成功し、ii) importin βの構造変化と表面疎水性の変化が輸送に必要不可欠であることを明らかにし、iii) 長さ、電荷、疎水性の異なる様々なコイルドコイル領域を用いて核移行シグナルや輸送因子非依存的にパーティクルを核内へ輸送するシステムを構築し、iv) 核膜孔複合体の構成因子における翻訳後修飾等を解析し、糖の付加、ジスルフィド結合、リン酸化が核内への物質輸送に大きな役割を果たしていることを明らかにした。これらの成果により、核内への物質輸送機構に関する新たな理解が進むとともに、核内へ様々な分子を輸送するための新たな手法を構築する基盤技術が確立されたと考えられる。 ・染色体関連タンパク質および核内構造タンパク質の核内での動態解析 遺伝子の核内における3次元的配置はその遺伝子の活性化状態により変化すると考えられている。この配置には、染色体関連タンパク質のみならず、核内の構造的タンパク質(足場タンパク質、scaffold)が重要な役割を果たしている。本年度は、および核内足場タンパク質に関与すると思われる機能未知タンパク質の機能解析を進め、FAM27E1、MAK16、及びWDR46等のタンパク質の機能に関する新しい知見を得た。
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