研究課題
本年度は、これまでの研究で確立されている超好熱菌Thermococcus kodakaraensisを用いた無細胞翻訳反応システムについて、その反応生成物の生成量を大幅に上昇させることを目的として、反応諸条件の最適化を行った。具体的には、1)無細胞抽出液(S30画分)の作成法、および2)反応溶液の構成成分の最適濃度、について検討を行った。1)については、菌体破砕に用いるフレンチプレスの圧力および回数の検討を行った結果、7,500psi x 1回でこれまでよりも良いS30画分を得ることができた。また、大腸菌のS30画分作製で行われているプレインキュベーション操作は、本菌の場合では行わない方が良い結果が得られることを見出した。2)については、マグネシウムイオンの最適濃度が7mM、アンモニウムイオンの最適濃度が75mM、カリウムイオンの最適濃度が250mM、アミノ酸混合液の最適濃度が3mM(各々)、ホスホエノールピルビン酸(PEP)の最適濃度が10mM、PEG8000の最適濃度が2%、であることを見出した。以上の最適条件で反応のタイムコースを取ったところ、反応最適温度である65℃におけるタンパクの合成量は、反応開始後約30分で既に飽和に達していることが判明し、その時点での合成量は約80μg/mLに達した。この値は大腸菌を用いた系における最大値の約半分であり、またコムギ胚芽系の最大値の約2倍である。これらのことから、系の最適化により、T.kodakaraensisを用いた無細胞翻訳系において、十分量のタンパクを得ることができた。上記の無細胞翻訳系を用いて、リポータータンパクとなるGFPの合成を試みた。これまでに反応温度50℃においてGFP由来の蛍光が観察されている。しかしながら、ChiAΔ4の最適合成温度である65℃では、蛍光が観察されておらず、現在その原因の追及を行っている
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