研究課題/領域番号 |
17076011
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
片岡 正俊 産業技術総合研究所, 健康工学研究センター, 研究チーム長 (20224438)
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研究分担者 |
篠原 康雄 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60226157)
石田 竜弘 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (50325271)
森 秀治 就実大学, 薬学部, 教授 (50220009)
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キーワード | 試験管内タンパク質合成 / 膜タンパク質 / リポソーム / プロテインA / 抗体 |
研究概要 |
細胞の機能発現の担い手であるタンパク質の機能を理解するには、人工的に特定のタンパク質を合成するタンパク質発現系が有用である。近年、試験管内タンパク質合成が生細胞を用いた従来の方法の欠点を克服しており注目されている。そして試験管内タンパク質合成の分子基盤を理解しタンパク質の効率よい合成のための基本原理の洗い出しを行うために、市販されている大腸菌、小麦胚芽やウサギ赤血球由来抽出液からなる試験管内タンパク質合成システムを用いてpET/G3PDHを鋳型DNAとしてG3PDHの合成について比較検討した。その結果、大腸菌抽出液をベースとするシステムでは大量のタンパク合成が確認される一方、小麦胚芽や赤血球由来抽出システムはほとんど合成は認められず、これら合成反応中でのmRNAの存在量とは相関しないことが認められた。これらの結果から、試験管内タンパク質合成ではその翻訳効率が合成に大きく関わることが明らかになった。膜タンパク質の再構成実験では、合成ペプチドとりポソームを用いることで自発的に膜に移行し、さらに方向性を持って膜に挿入されるペプチドデザインを行った。この結果、膜挿入部分ではロイシンによる疎水性の付与、および合成ペプチドのC末端部分をポジティブチャージ、N末端をネガティブチャージすることでC末端をリパソーム内に向けて合成ペプチドの自発的な膜挿入系を構築した。そしてこの知見をもとに、この自発的に方向性を有する合成ペプチドをリンカーペプチドとして、そのC末端側への抗体結合能を有するプロテインA由来IgG結合ドメインを結合させた融合ペプチドを作成した。そして生体膜を模倣したリポソームに方向性を維持した抗体結合法を特許申請している(特願2007-288728)。
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