研究課題/領域番号 |
17076013
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松田 修 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (00271164)
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研究分担者 |
今西 二郎 京都府立庭科大学, 医学研究科, 教授 (40112510)
伏木 信次 京都府立庭科大学, 医学研究科, 教授 (80150572)
中屋 隆明 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (80271633)
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キーワード | 遺伝子 / 発現制御 / 細胞・組織 / ナノバイオ / 生体機能利用 / マルチスケール操作 / システム細胞工学 |
研究概要 |
本研究課題では、昨年度にひきつづいて、EBV人工染色体の細胞内移送と安定化の機構をマルチスケール操作を用いて解析するとともに、EBV人工染色体の特性を生かした応用研究として、従来より進めている種々遺伝子の生体内機能解析を継続し、さらにEBV人工染色体を用いた、免疫療法を目的とした生体内遺伝子機能解析と再生医療を目的としたプライマリー細胞の遺伝的改変技術の樹立を試みた。EBV人工染色体の細胞内移送と安定化機構の解明では、on substrate cell lysis法と共焦点レーザー顕微鏡を組み合わせた解析を昨年度までに一過性発現に関して行ったが、(AO1班吉村博士との共同研究)、これを導入後長期間維持、発現に応用して解析する研究を行った。このとき、EBNA1のプロモーターを種々改変を加えることにより、長期間維持、発現においてEBNA1の発現量は極めて微量でも十分に機能しうることを見出したので、このことは、EBV人工染色体の再生医療や遺伝子治療への応用の際にも利点となると考えられる。一方で、EBV人工染色体の種々細胞への導入を、AO3班・東京大学・鷲津教授らとの共同研究でマイクロオリフィスを用いた技術で、またMEMSを応用した手法で行い、とくにヒト正常二倍体線維芽細胞、ケラチノサイト、間葉系幹細胞等のプライマリー細胞への導入について、細胞への毒性が低い遺伝的改変技術の確立につながる結果を得つつある。他方、遺伝子発現制御技術に関しては、生体内siRNA導入をさらに発展させ、とくにある種のサイトカインのin vivo抑制による病態制御を、骨格筋、関節滑膜等を対象臓器として行う研究を行った(AO3班・森島教授との共同研究)。これらの結果は、生体機能の構築・模写、細胞、臓器の自在な遺伝改変技術の確立、生体分子素機能の解析につながり、システム細胞工学に大きく貢献するものと考えられる。
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