研究課題/領域番号 |
17076015
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
根來 眞 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90115618)
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研究分担者 |
新井 史人 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (90221051)
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キーワード | 血管内皮細胞 / スキャホールド / 人工血管 / ポリ乳酸 / セグメント化ポリウレタン / カプロラクトン / 積層造形法 / 走査電子顕微鏡 |
研究概要 |
今年度は人工血管作成にむけて基礎実験を行った。まず血管内皮細胞培養に最適の足場(scaffold)を選定するために、以下に述べるごとき材料を用いて足場を作成した。この足場で実際に内皮細胞を培養し、その細胞接着状況を走査電子顕微鏡にて判定し、足場の最適材料について検索を行った。 PLA(ポリ乳酸)、SPU(セグメント化ポリウレタン)を用いた足場を作成し、その後ソルトリーチング法により多孔構造を形成した。血栓による足場の被覆を行った後、HUVEC(臍帯静脈内皮細胞)を播種した。この後インキュべーター内にて18時間培養を行った。その後走査電子顕微鏡による観察のため金属被膜を行った後、観察画像を撮影し細胞核、細胞架橋の状態から判定した。この結果からはPLA(ポリ乳酸)による足場の方がSPU(セグメント化ポリウレタン)より細胞接着性が高いことが判明した。しかしPLA(ポリ乳酸)によっても必ずしも充分とはいえないため、より生体に近い材料のカプロラクトンを足場材料として用いることが出来ないかを検討した。生体のCT画像から血管三次元情報を得た後、まず血管立体モデルを積層造形法により作製した。この後カプロラクトンによる足場を作成し、まず物理的性状を先のPLA(ポリ乳酸)、SPU(セグメント化ポリウレタン)を用いた足場と比較した。また実際の血管との応力-ひずみ等の比較を行った。この結果カプロラクトンはPLA(ポリ乳酸)、SPU(セグメント化ポリウレタン)を用いた足場よりより丈夫であるが、血圧による変形が生体血管に起るそれとカプロラクトンによる足場に起るものとが異なる可能性があり、今後更に別材料を含めた検討を要することが判明した。
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