研究課題
これまでの研究に引き続き、ホウ素栄養応答に関わる変異株の解析を中心行った。ホウ素過剰に感受性を示す変異株の原因遺伝子を特定しその遺伝子がホウ素過剰にどのような影響を及ぼすのかについて解析を進めた。原因遺伝子のうちのコンデンシンと呼ばれる染色体タンパク質については、DNAの損傷を緩和する効果がある事が明らかになった。さらに、ホウ素過剰がDNA損傷を促進すること、DNA損傷がホウ素過剰条件での植物の根の伸長阻害の一因である可能性を示す結果を得た。これらの成果はホウ素過剰での植物の生育阻害機構を明らかにした初めての例である。また、これまで進めて来たBOR1の立体構造解析のためのタンパク質大量取得をさらに進めた。これまで試した中で最も発現の良かったBOR4について酵母を大量培養して発現させたところ、一定量の発現が見られたものの、培養毎にばらつきが大きく、大量精製は困難な状況となったが、新たな発現系の検討を進めた。BOR1の分解や細胞内局在制御については、変異型のBOR1の解析を進めると共に、BOR1の発現を指標にした変異株の解析を進めた。この変異株ではBOR1-GFPの蓄積が高まっており、この現象をもたらす原因遺伝子を特定したが、BOR1の蓄積はホウ素欠乏条件でも通常条件でも増加傾向にある一方でBORmRNAの蓄積の増加は顕著に認められず、原因遺伝子はBOR1の翻訳もしくは分解などのmRNA蓄積後の過程に影響を及ぼしているものと考えられた。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (38件)
Bioscience Biotechnology and Biochemistry
巻: Vol.75No.3 ページ: 561-567
Plant Soil
巻: 340 ページ: 435-442
J Biol Chem.
巻: 286 ページ: 6175-6183
J Exp Bot.
巻: 62(4) ページ: 1483-97
Canad.J.Microbiol.
巻: 56(1) ページ: 22-26
Plant Biotechnology
巻: 27-5 ページ: 435-445
Ann.Bot.
巻: 105(7) ページ: 1103-1108
Biosci Biochem Biotechnol
巻: 74(1) ページ: 78-181
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.
巻: 17 ページ: 5220-5225
Physiol Plant
巻: 139 ページ: 80-92
Current Opinion in Plant Biology
巻: 12-6 ページ: 699-704
Plant and Cell Physiology
巻: 50(11) ページ: 1977-1981
