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2008 年度 実績報告書

膜電位形成・環境に関与する植物のK+およびNa+輸送体の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17078005
研究機関東北大学

研究代表者

魚住 信之  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40223515)

キーワードKAT1 / イオンチャネル / カリウム / 浸透圧 / 膜輸送 / ソルビトール / 水チャネル / 液胞
研究概要

植物のKチャネルの中でも膜電位センサーを持たないタイプのKチャネルである液胞膜TPKチャネルの性質を酵母液胞膜に発現させて検討した。たばこKチャネルTPKは細胞質内側が酸性化することによって、輸送活性が強くなることが知られている。今回イオン選択孔の置換体の中には、この性質が失われるものが存在した。イオン選択孔の構造がpH依存性に関係することが強く示唆された。
シロイヌナズナのKチャネルKAT1の構造と機能を明らかにするために、精製系について検討した。昆虫細胞系を用いて全長の蛋白質を生産させたところ、これまでには得られない量の蛋白質を精製することが可能となった。以前に、ペプチドにおいて昆虫細胞系で精製を行ったことがあるが、今回のように全長の蛋白質が得られることたことは、今後のKAT1の機能と構造解析に有効である。
野性株の酵母を巨大化する方法を用いて、巨大化細胞とその液胞膜の調製を試みてきたが、酵母の液胞膜に植物のKチャネルと同様のイオン輸送系が観察された。その本体は原核生物や真核生物に存在する陽イオン輸送体であり植物のイオンチャネル測定系として利用するにあたり、重要な知見であることからそのイオン特性について検証を行った。Caで活性化されることが明らかとなり、たばこKチャネルと類似の性質をもつことが明らかとなった。さらに、陽イオン選択性が低いことも予測されたことから、今後植物の液胞膜に存在するイオン輸送系の機能解析には、本遺伝子変異株を用いた解析がバックグランド電流を抑制する上で有効であることが示された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Contribution of salicylic acid glucosyltransferase, OsSGT1, to chemically-induceddisease resistance in rice plants2009

    • 著者名/発表者名
      Umemura, K, et.al.
    • 雑誌名

      Plant J 57

      ページ: 463-472

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Purification of the functional plant membrane channel KAT12008

    • 著者名/発表者名
      Hibi, T., et.al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun 374

      ページ: 465-469

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Electrophysiological property of NtTPK1 expressed in yeast tonoplast2008

    • 著者名/発表者名
      Hamamoto, S, et.al.
    • 雑誌名

      Biosci. Biotech. Biochem 72

      ページ: 2785-2787

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel treatment for lithium induced nephrogenic diabetes insipidus rat model using the Sendai-virus vector carrying aquaporin 2 gene2008

    • 著者名/発表者名
      Suga, H, et.al.
    • 雑誌名

      Endocrinology 149

      ページ: 5803-5810

    • 査読あり
  • [学会発表] KAT1のリン酸化によるK+輸送活性調節2009

    • 著者名/発表者名
      佐藤愛子他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2009年度大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] マイクロ流路を用いたラン藻の高浸透圧ストレスに対する適応機構のリアルタイム観察2009

    • 著者名/発表者名
      四十九俊彰他
    • 学会等名
      日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-21
  • [学会発表] タバコ液胞型Kチャネルの酵母を用いたパッチクランプ解析2008

    • 著者名/発表者名
      浜本晋他
    • 学会等名
      日本生体エネルギー研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-11-07
  • [学会発表] 大腸菌と酵母を宿主として利用する植物イオンチャネル・トランスポーターの解析法2008

    • 著者名/発表者名
      魚住信之
    • 学会等名
      日本生物工学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-08-28
  • [学会発表] マイクロ流路を用いたラン藻の浸透圧適応のリアルタイム観察2008

    • 著者名/発表者名
      四十九俊彰他
    • 学会等名
      日本生物工学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-08-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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