研究課題
植物の気孔は、蒸散やガス交換を制御する重要な組織である。これまでに、乾燥で誘導されるアブシジン酸によって誘導される気孔閉口において、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化や細胞内カルシウム濃度の上昇、オシレーションが重要であることが報告されて来ている。しかし、アブシジン酸誘導気孔閉口におけるカルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素(CDPK)の役割は明らかにされていない。そこで、本年度の研究の一つとして、気孔を形成する孔辺細胞に発現する2つのCDPKに着目して、シロイヌナズナを材料に用いて、アブシジン酸誘導気孔閉口機構の解析を行った。解析には、野生株とともにこれらのCDPKのシングルミュータントとダブルミュータントを用いた。アブシジン酸またはカルシウムによる気孔閉口、アブシジン酸または過酸化水素による原形質膜カルシウム(非選択性カチオン)チャネルの活性化やアブシジン酸またはカルシウムによる原形質膜Sタイプアニオンチャネルの活性化、原形質膜Rタイプアニオンチャネルの活性化、タンパク質のリン酸化活性について解析を行った。その結果、孔辺細胞でのアブシジン酸シグナリングにおいて、孔辺細胞内のカルシウム濃度に依存したタンパク質のリン酸化が重要な役割を果たしていることがカルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素(CDPK)の変異株を用いることで明らかになった。また、新規アブシジン酸変異株を獲得し、解析を行った。
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Zeitschrift fur Naturforschung 60c
ページ: 769-773
Journal of Plant Physiology (in press)
Abstract of The 2nd International Workshop on Environmental and Metabolic Biochemistry of Plants and Microorganisms.
ページ: 12