研究課題
動物で膜輸送体の細胞内輸送の際のエスコートタンパク質として知られるsecretory carreier membrane proteinの、タバコホモログの解析から見出した新規構造体(我々がsecretory vesicle clusterと命名)に関する論文発表を行った。また、この蛋白質のエンドサイトーシス関与の輸送についで、解析を進めた。同時に、この構造体をタバコ培養細胞から単離精製する条件を見出し、その構造体に含まれる蛋白質の候補を複数個見出した。これらの蛋白質には、細胞壁多糖の合成に関与する可能性が考えられる蛋白質が含まれていた。輸送体の直接的な解析としては、しょ糖輸送体の解析を昨年度に引き続き進めた。その結果、解析対象としているタバコ由来の2種の輸送体において、タバコ培養細胞BY-2中における栄養欠乏に応答した分解のうち、一方の輸送体の分解にはオートファジーが関与する可能性を見出した。これと平行して、シロイヌナズナのホウ素輸送体の分解機構を、タバコ培養細胞の発現系と各種の阻害剤を用いて検討した。その結果、この分解にはアクチンミオシン系が関わることを示唆する結果を得た。さらに、タバコ培養細胞とそのトランスクリプトーム情報を用いた解析を、領域内外の研究者との共同研究としで昨年度に引き続き進め、そのうちの複数のものについて、論文発表を行った。併せて免疫電子顕微鏡観察に関する共同研究等も、領域内外の研究者との共同研究として進めた。
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