研究課題
1)Mrcl、'Tof1、Csm3による複合体形成と、相互依存性についてin vivoにおけるMrcl相互作用因子の網羅的探索の結果、MrclがTofl-Csm3および、Mcm6と相互作用することが明らかとなった。ToflもしくはCsm3が欠損すると、Mrclの複製フォークへの結合はin vivoで検出されなくなった。また、ToflとCsm3も相互依存的に複製フォークに結合した。逆にTofl-Csm3のフォークへの結合にはMrclは必要でない。これらのことから、Mrc1の複製フォークへの結合にはTofl-Csm3複合体が必須であることが判明した。Mrcl、Tofl、Csm3はin vivoでもin vitroでも複合体を形成し、精製したToflタンパクは二本鎖DNAに結合する活性を有し、Tofl-Csm3はRPAと共免疫沈降した溶このことから、複製異常はまず、Tofl-Csm3複合体を通してssDNAを介したフォークの構造変化として感知され、Mrclへ伝えられチェックポイントの活性化が誘導されると考えた。2)Mrc1とMcm6の相互作用の役割Mcm6がそのC末端領域を通じてMrclの中央領域と相互作用し、Mcm6のC末への2アミノ酸の置換変異(mcm6il)の導入によりin vivoでもin vitroにおいても、特異的にMrclとMcm6の相互作用が失われた。mcm6il変異はHU(ヒドロキシウレア、リボヌクレオチドレダクターゼの阻害剤であり、dNTPを枯渇させる)およびMMS(メチルメタンスルホン酸)に対して強い感受性を示したが、HU存在下での、チェックポイントの活性化は正常に誘導された。この変異Mcm6とMrclの融合タンパクを作ったところ、以上の全ての欠損は相補された。面白いことに、mcm6il変異中ではmrc1欠失株と同様にストレスの存在しないS期において、Mcm4-Mcm6間の相互作用が弱くなる。このことから、Mcm6とMrclの特異的相互作用はMcm複合体の安定な形成、進行に関与し、チェックポイント活性化には不必要と結論した。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
PLoS One In press
Chromosoma 116
ページ: 531-544
Genes Genet Syst 82
ページ: 21-33
EMBO J. 26
ページ: 1327-1339