研究課題
以下に結果の概要をまとめる1)姉妹染色分体間接着確立因子Ctf4の機能についての研究姉妹染色分体間接着確立因子であるCtf4について、解析を行った結果、Ctf4がヘリカーゼとラギング鎖合成ポリメラーゼを連結する因子であることを発見した。Ctf4がないとDNAポリメラーゼαはフォークより消失する。一方、ヘリカーゼはフォークに結合しているものの、その進行が非同調的になり広く分布する。このことは、Ctf4がポリメラーゼαをフォーク上で安定化する因子であり、ヘリカーゼの同調的進行には、DNAポリメラーゼαとヘリカーゼの結合が必要であることを示している。2)複製チェックポイント因子Mrc1とMcm6の相互作用の意義の解析複製のヘリカーゼである、Mcm複合体の構成タンパクであるMcm6はMrc1と直接的に相互作用する。Mcm6のC末に2アミノ酸置換を導入すると、それだけで、両者の間の特異的相互作用は失われる。この結合の意味を追求するべく解析を行った結果、Mcm6とMrc1の相互作用はMMSによるDNA損傷に応答した複製チェックポイントの活性化に必要であることが判明した。不思議なことにこの相互作用は複製ストレス(ヒドロキシウレアによる)に対する複製チェックポイント応答には必要ない。このことは、McmがDNA損傷特異的なセンサーとして機能し、複製チェックポイントを活性化する可能性を示唆するものである。以上の二つの成果が主要なものであり、両者とも、研究計画代表者の荒木との共同研究である。
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Genes Cells (In press)
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