研究課題/領域番号 |
17080003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
升方 久夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00199689)
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研究分担者 |
滝澤 温彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60154944)
石見 幸男 茨城大学, 理学部, 教授 (80159772)
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キーワード | 複製開始複合体 / 細胞周期 / ヘテロクロマチン / リン酸化制御 / 複製開始点 / 複製チェッポイント / セントロメア / クロマチン構造 |
研究概要 |
遺伝情報を次世代に正確に継承するために、染色体複製は開始毅階で巧妙な制御を受けている。またチェックポイント制御、染色体接着や分配など重要な染色体機能と密接に関連するしくみを持っている。平成20年度染色体複製の制御に関して以下のことを明らかにした。 1. 遺伝子発現に抑制的にはたらくヘテロクロマチン領域のうち、セントロメアと性決定領域では、ヘテロクロマチン蛋白質HP1が複製開始に必要なDDKと直接相互作用し複製開始を促進するため、S期初期に複製するというしくみを解明した。 2. いっぽうサブテロメアヘテロクロマチン領域は多数の複製開始点が存在しpre-RCが形成されているにもかかわらず複製開始が抑制されている。この抑制にテロメア配列結合蛋白質Taz1が関与することを見いだした。 3. 複製基質の枯渇により複製進行が抑制されたとき、MCMヘリカーゼのMcm4のC末端領域が停止した複製フォークの再開に必要な機能を持つことを発見した。 4. 分裂酵母セントロメアには組換え蛋白質Rad51が局在し、同腕染色体など異常な組換え体形成の抑制にはたらき、染色体維持に重要な役割を果たすことを発見した。 5. ツメガエル複製装置蛋白質Tim1-Tipin/Tof1-Csm3が染色体接着形成に必須の機能を持つことを明らかにした。 6. ツメガエル複製因子RecQ4のN末領域のCDKリン酸化がDNAポリメラーゼαの染色体結合を促進し複製開始制御に関与することを示した。 7. クロマチン構造変換因子FACTが複製装置複合体と結合し、複製進行を促進することを示唆する結果を得た。 8. ヒトMCMヘリカーゼをヘリキノマイシンが特異的に阻害することを発見しその作用機構を明らかにした。 9. ヒトTim1-Tipin/Tof1-Csm3とMCM蛋白質複合体間の相互作用を明らかにした。
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