研究課題/領域番号 |
17080012
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中山 潤一 理化学研究所, クロマチン動態研究チーム, チームリーダー (60373338)
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研究分担者 |
村上 洋太 京都大学, ウィルス研究所, 准教授 (20260622)
沖 昌也 福井大学, 工学研究科, 准教授 (60420626)
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キーワード | ヘテロクロマチン / 分裂酵母 / 出芽酵母 / クロモドメイン / クロマチンアッセンブリー / バウンダリー / サイレンシング |
研究概要 |
1.ヘテロクロマチンタンパク質HP1の機能解析:高次クロマチン構造維持に関わるHP1タンパク質の機能の詳細を探るため、分裂酵母のHP1相同因子Swi6,Chp2の機能解析を進め、本年はこれらの因子がヒストン修飾制御因子であるClr3、Epe1に対して異なる様式で結合すること、またChp2にはSwi6には認められないクロマチンとの強い相互作用があることを見出した。これらの機能的な差異を有する二種類のHP1タンパク質のバランスが、高次クロマチン構造の維持に重要であると考えられる(中山担当分)。 2.クロマチンアッセンブリー因子の機能解析:複製依存的クロマチンアセンブリー因子CAF1は染色体複製にともなう高次クロマチン構造維持に関わると考えられている。分裂酵母CAF1を単離しその機能を解析した結果、CAF1がヘテロクロマチンの維持に関わることを示し、その分子機構を明らかにした。またヘテロクロマチン蛋白質HP1の分裂酵母ホモログSwi6がcasein kinase llによるリン酸化を受けそれが、ヘテロクロマチンによる転写抑制を制御する事を明らかにした。ヘテロクロマチンのもつ種々の機能の制御機構の一端を明らかにした重要な知見である。(村上担当分) 3.ヘテロクロマチン境界決定機構の解明:これまでにヘテロクロマチン領域伸張停止に関与する遺伝子を出芽酵母全遺伝子約6000個の中から分離した。本年度我々は、スクリーニングにより分離されたSASヒストンアセチル化複合体とSETヒストンメチル化複合体が境界形成機構に関与していることを明らかにした。また、ada2破壊株内では、スクリーニングで分離された遺伝子全てが境界形成能を失い、ADA複合体はサイレンシングの機能調節に関与していることが示唆された。(沖担当分)
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