研究課題
Cdc7キナーゼは複製複合体をリン酸化することにより、複製開始を制御することが知られているが、最近の研究から、減数分裂期組換え、チェックポイント制御、染色体接着など広範な染色体機能を制御していることが明らかとなっている。本研究では、分裂酵母および動物細胞を用いて、Cdc7のこれらの多様な制御の分子機構を明らかにすることを目的とする。酵母の遺伝学的研究から、Mrc1がCdc7経路を負に制御している可能性およびCdc7の基質である可能性が示唆された。そこで、動物細胞のMrc1ホモログであるClaspin分子がCdc7によりリン酸化される可能性を細胞レベルおよびin vitroで検討した。同調細胞の解析からClaspinはS期初期にCdc7の機能依存的にリン酸化を受ける。さらにMASS解析からそのリン酸化部位がS1129,S1147,S1156,S1168などに同定された。さらにこの部位を含むポリペプチドはin vitroでCdc7が結合し、またCdc7により効率よくリン酸化された。この領域を欠損させるとClaspinのDNA結合が著しく促進した。したがってこの領域はClaspinのDNA結合能を負に制御する可能性が示唆された。現在、Cdc7がこれらの部位のリン酸化を介してClaspinの機能を制御するというモデルを検証している。また、Cdc7-ASKとの結合分子のMASS解析から新規分子を同定し、現在これらがCdc7の新規基質となる可能性を検討している
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