研究課題
本研究では特に肝臓の胆管側の輸送体(ABCB11,ABCC2(MRP2),ABCC4の膜局在や活性を制御する細胞質蛋白質の同定、これら機能ユニットの制御に関わるシグナル経路の解明を目指している。本年度は特に酸化ストレスによるMRP2の内在化のシグナル経路を明らかにした。特に細胞内GSHの減少にともなって細胞内のフリーCaが上昇すること、この後にNOが発生すること、さらに最終的にPKCファミリーのうちCa依存性、ジアシルグリセロール非依存性PKC、すなわちnovel PKC(nPKC)が関与することを明らかとした。また別個にMrp2のリン酸化と活性制御に関しては、vitroで強制的にMrp2をPKCαでリン酸化するとin vivoの現象と逆に輸送活性が増加することより、in vivoにおいてPKCはMrp2の活性増大よりむしろその内在化制御に関わる可能性を支持する結果を得た。以上を踏まえ、PKCの標的蛋白、更にはMrp2の内在化により深く関わる直接的な相互作用因子の同定が今後の課題と考え、Mrp2との相互作用因子、特にPKCによるリン酸化によって結合が影響されるという仮説に基づき、現在、Mrp2の分子中の最もコンセンサスリン酸化サイトの密集する部分に着目した方法論を展開しつつある。具体的にはラットMrp2のN末側のATP加水分解領域の直後の細胞質領域(リンカー領域)をベイトにして酵母two-hybrid法によってヒト肝臓のcDNAライブラリーより相互作用因子のクローン単離を試みた。
すべて 2006 2005
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