研究課題/領域番号 |
17081006
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
|
研究分担者 |
杉山 雄一 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (80090471)
伊藤 晃成 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30323405)
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90313155)
|
キーワード | 生理学 / 薬理学 / 薬剤反応性 |
研究概要 |
薬物トランスポーターは薬物の体内動態に重要な役割を果たし、薬理効果・副作用の発現に大きく寄与している。現在までに数多くの分子群が同定されているが、その中には薬物のみならず胆汁酸・脂質などの内因性物質を輸送するものも多く、遺伝子変異が重篤な遺伝病発症の原因となる場合も少なくない。本研究課題においては、これらのトランスポーターの細胞内局在や輸送機能の適切な制御に必要な可溶性タンパク質群・膜タンパク質群を同定し、見出された共役因子の生理的役割を解明するとともに、各因子の遺伝子変異や後天的な刺激による変動に基づく病態発症機構を解析することにより、新規治療法・創薬標的を提唱することを目的とする。 現在までに、薬物や胆汁成分の胆汁排泄に関わるトランスポーター群であるMRP2/ABCC2・BSEP/ABCB11・MDR3/ABCB4・ABCG5/G8や、消化管からのステロール類の吸収に働くNPC1L1・破骨細胞の分化に必要な因子であるRANKLなどの分子に焦点をあて、種々の検討を行ってきた。ABCトランスポーターであるMRP2・BSEP・MDR3に関しては、N末側のATP加水分解領域直後の細胞質領域(リンカー領域)をベイトとして酵母ツーハイブリッド法を用いたスクリーニングを行い、翻訳後修飾に関わる酵素やアダプター分子などを複数得ており、現在哺乳類細胞系を用いてさらなる検討を行っている。NPC1L1やRANKLに関しては、GST-pull down法や免疫沈降法を組み合わせた解析の結果、細胞内局在制御・輸送機能調節に関わることが期待される可溶性タンパク質・膜タンパク質との蛋白-蛋白相互作用が検出されており、これらの相互作用が果たす生理的役割の解明に向けてより詳細な解析を進めているところである。
|