研究課題/領域番号 |
17081006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
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研究分担者 |
杉山 雄一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80090471)
伊藤 晃成 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (30323405)
菅原 寧彦 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (90313155)
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キーワード | 生理学 / 薬理学 / 薬剤反応性 |
研究概要 |
18年度までに種々輸送体と結合する蛋白質群の情報を得たが、19年度はそれら情報を基に、哺乳類細胞を用いた詳細な解析を行い、分子間で共役することの生理的役割・病態発症との関連の解明を目指して、検討を進めた。現在までに、生体肝移植を要するProgressive familial intrahepatic cholestasis (PFIC) III型の、また薬剤性胆汁うっ滞発症の原因遺伝子と考えられる脂質トランスポーターMDR3の特定の領域に結合するアダプター分子が、他の毛細胆管膜上のトランスポーターとも結合し、大きな膜輸送複合体を形成している可能性があること、胆汁酸排出ポンプBSEPに結合する分子による翻訳後修飾が、BSEP蛋白分子の細胞内局在に大きな影響を与えることなどが示されており、これらはそれぞれ、現在論文投稿中、投稿準備中である。また、骨芽細胞に発現し、破骨細胞の分化誘導にはたらく膜蛋白質RANKLをベイトにHisタグ沈降法、2次元電気泳動、ToF-MS分析を用いて候補分子を探索し、RANKLの適切な細胞内局在制御にvacuolarprotein sorting 33a (Vps33a)との蛋白間相互作用が必須であることを示すことに成功している。この分子はRANKLを含む膜蛋白質複合体の細胞内局在制御に関して重要な分子と考えられ、成果は現在論文投稿中である。RANKLは砕骨細胞の分化に関わる分泌蛋白質であり、今回明らかとした分子とRANKLとの複合体の発見は骨粗鬆症治療の治療法確立において重要な発見である。
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