研究課題/領域番号 |
17081008
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
畑 裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80313237)
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研究分担者 |
平林 享 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80376730)
飯田 純子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80376805)
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キーワード | エンドサイトーシス / 細胞骨格 / シグナル伝達 / 受容体 |
研究概要 |
近年、トランスポーター・チャネル(以下、膜輸送分子)を細胞膜側から裏打ちするscaffold蛋白が数多く見出されている。Scaffold蛋白は、複数の蛋白相互作用領域をもち、膜輸送分子以外に細胞骨格、シグナル伝達分子、接着分子に結合することから、生体膜を介する物質輸送・情報伝達の機能的ユニットの形成に重要な役割を果たすと推定されている。さらに、異なるscaffold蛋白が直接、或いは、アダプターや接着分子を介して間接に相互作用する例が見出されており、scaffold蛋白を中心とするより大きな蛋白分子ネットワークの存在が予測されている。これらの知見をもとに、膜輸送分子が伝達するシグナルに応答して、膜輸送分子を裏打ちするscaffold蛋白を中心とする蛋白分子ネットワークに変動が生じ、より長期的に持続する膜輸送分子の作動環境の変化がもたらされるというモデルが想定されている。しかし、scaffold蛋白が媒介する複雑多岐な分子相互作用の一つ一つがシグナル依存的にどのように変化して、その結果、蛋白分子ネットワーク全体にどのように変化がもたらされるかを実体的に解明した報告は少ない。 今年度は、上皮細胞が種々のサイトカイン作用により間葉系の形質を獲得する現象(EMT)において観察される細胞間結合再構築に焦点をあて、膜蛋白とscaffold蛋白の相互作用の変動の解析を試みた。その結果、従来から私たちが研究対象としている接着分子JAM4にLNX1というPDZ蛋白が結合することを新たに見出した。さらに、LNX1がJAM4のエンドサイトーシスを促進すること、乳腺上皮細胞のEMTに伴うJAM4の局在変動にLNX1が関与することを明らかにした。
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