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2008 年度 実績報告書

Ca2+チャネル分子複合体の生体膜集積機構とその生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 17081011
研究機関京都大学

研究代表者

森 泰生  京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265)

研究分担者 藤本 豊士  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50115929)
キーワードカルシウムチャネル / 分子複合体 / 膜分子集積 / シグナル伝達 / バイオセンサー
研究概要

TRPM2を介したCa2+流入が、ヒト単球細胞株U937における過酸化水素によるケモカインCXCL8の産生に、Erk及びNF κ Bを介して関与することが明らかになった。Erk活性化は、Ca2+依存性チロシンキナーゼPyk2がTRPM2を介したCa2+流入を感知し、Rasの活性化を介して引き起こされる。活性化ErkはNF κ Bの核内移行を惹起し、CXCL8産生誘導を引き起こし、単球におけるCa2+及び過酸化水素によるCXCL8産生誘導を結びつける分子実体として、TRPM2が機能することを明らかにすることができた。このように、TRPM2を中心として、これらのタンパク質群がどのようにして、シグナル複合体channelsomeを形成するかを明らかにするための重要な一歩となる成果を上げることができた。次いで、TRPM2 KOマウスを作製し解析を続けたところ、Dexstran sulfate sodium(DSS)誘導性の潰瘍性大腸炎を惹起した炎症マウスモデルにおいて、WTマウスの単球及び大腸において強いケモカインCXCL2産生が認められたが、TRPM2 KOマウスにおいてはそれが抑制されていた。また、単球/マクロファージの大腸への浸潤はWT及びTRPM2 KOマウスともに同程度認められたが、好中球の浸潤はTRPM2 KOマウスにおいて著しく抑制されていた。好中球の遊走能はWTとTRPM2 KO間で違いがなかったことから、炎症部位のマクロファージにおけるTRPM2依存的なCXCL2産生誘導が好中球の大腸への浸潤を惹起していることが明らかになった。DSS処置後のWTマウスの大腸に認められた潰瘍形成は、TRPM2 KOにおいて強く抑制されていた。以上、本研究により、単球/マクロファージのTRPM2 channel someの炎症における生理的意義が明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] TRPM2-mediated Ca^<2+> influx induces chemokine production in monocytes that aggravates inflammatory neutronhil infiltration2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamto S, (他15名), Mori Y.
    • 雑誌名

      Nature Med. 14

      ページ: 738-747

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ca^<2+>-dependent induction of TRPM2 currents in hippocampal neurons2008

    • 著者名/発表者名
      Olah ME, (他5名), MoriY, Tymianski M & MacDonald JF.
    • 雑誌名

      J. Phys io

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Selective and direct inhibition of TRPC3 channels underlies biological activities of a pvrazole compound2008

    • 著者名/発表者名
      Kiyonaka S, (他19名), Mori Y.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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