研究課題/領域番号 |
17081016
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
金井 好克 杏林大学, 医学部, 教授 (60204533)
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研究分担者 |
安西 尚彦 杏林大学・医学部 (70276054)
平田 拓 杏林大学・医学部 (60372918)
夏目 徹 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター・タンパク質ネットワーク解析チーム, チームリーダー (00357683)
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キーワード | 膜輸送 / トランスポーター / 複合体 / 生体膜 / 上皮輸送 / PDZタンパク質 / 蛋白質間相互作用 / 腎 |
研究概要 |
本研究は、腎尿細管の有機溶質トランスポーターを中心として形成されるトランスポートソームを題材としてその分子構築と機能を明らかにすることにより、トランスポートソームの実体を明示することを目的とする。研究第2年度にあたる平成18年度は、昨年度にトランスポートソーム研究への最適化を行い確立した実験系、解析技術を用いてトランスポートソーム実証に向けた以下の検討を行った。(1)代謝酵素と共存するトランスポーターの同定。マウス腎近位尿細管血管側膜に存在する新規プロスタグランジントランスポーターOAT-PGを同定したが、それがプロスタグランジン代謝酵素15-hydroxyprostaglandin dehydrogenaseと共局在することを見い出した。これは、トランスポーターとその輸送基質を基質とする代謝酵素からなるトランスポートソームの存在を強く示唆し、本分子複合体の酵母ツーハイブリッド法及びプロテミクスによる同定作業を進行させている。(2)FRET(Fluorescence resonance energy transfer)を用いたトランスポートソームの証明。足場タンパク質PDZK1と結合する2種のトランスポーターURAT1とOAT4のそれぞれのN-末端に蛍光タンパク質を付加したものを作製し、PDZK1の存在下においてのみFRET現象が観察されることを明らかにした。 加えて、免疫沈降法により、PDZK1の存在下においてのみ抗URAT1抗体によりOAT4が共沈降することも示された。これによりPDZK1により2種のトランスポーターが複合体を形成することが実証された。(3)tag付トランスポーターの免疫沈降により結合タンパク質を質量分析法により同定した。(4)線虫のPDZ結合モチーフを持っアミノ酸トランスポーターの解析。各トランスポーターのノックダウン及びノックアウトを作製してその表現型を明らかにした。結合タンパク質を探索中である。
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