研究課題
我々は細胞外マトリックスが超分子複合体の特異性を決め、細胞内シグナル経路を制御し、細胞の挙動と運命に重要な働きをしていると考えている。この研究では細胞外マトリックス分子による超分子複合体形成誘導の解析と機能の分析をすることにより、細胞内シグナル初期過程における分子制御機構の解明を目的としている。In vitro, invivoの両面から細胞外マトリックスの機能を解明していく。In vitroの系としてはプロテオミクス、リピドミクスの手法を、in vivoの系としては遺伝子改変動物の解析を進める。本研究は特定領域‘細胞外環境'の中で特に細胞外マトリックス分子の機能に焦点を置いた課題であるが、将来的にはこれに関わるメカニカルストレスやカルシウムシグナルなどより広い意味での細胞外環境の関与と細胞外マトリックスの関連性を解明したい。in vivoの系としては、細胞外マトリックス分子(特にパールカン、ラミニン)の遺伝子改変マウスを用いて解析を進めている。当該年度では神経突起伸長をモデルとして超分子複合体形成を検討した。ラミニンがモノシアルガングリオシドGM1、インテグリン、NGF受容体をどのように制御し、細胞内シグナルに関わるかを形態学的、生化学的に検討し現在論文投稿中である。また、滑膜細胞を用いた細胞へのメカニカルストレスの影響を検討し、論文投稿準備中である。
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