研究課題/領域番号 |
17083001
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
藪 敏裕 岩手大学, 教育学部, 教授 (20220212)
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研究分担者 |
木村 直弘 岩手大学, 教育学部, 教授 (40221923)
中村 一基 岩手大学, 教育学部, 教授 (20133895)
宇佐美 公生 岩手大学, 教育学部, 教授 (30183750)
中村 安宏 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10282089)
脇田 健一 龍谷大学, 社会学部, 教授 (00305319)
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キーワード | 寧波 / 仏舎利 / 景観 / 葬送儀礼 / 祖霊信仰 / 死生観 / 中国 |
研究概要 |
平成21年度は、最終年であり研究を総括するために、7月23日に寧波大学において、東アジア、特に中国と日本における「死」や「葬送」にまつわる習俗・慣習の歴史的変遷を、浙東地域の役割に焦点をあてて考察することを目的に、ワークショップを開催した。先ず画像石の研究者として知られる山東工芸美術学院人文芸術学院院長張従軍氏が、『華府到洞天-東晋南朝墓葬形制解読』とのテーマで問題提起を行い、両漢時代から東晋期にかけての山東と華南地区の墳墓の形態及びそれに伴う埋葬品の変化などを紹介しつつ、この変化が当時における人々の他界観(死生観)を反映していると報告した。これに対し、漢代の地下墳墓への埋葬と墳墓の画像石に描かれている西王母のもとへの昇仙との関係についての質問があり、魂魄観念の成立とからめて考えていくべきとの意見がでた。次いで、日中比較文化が専門の清華大学人文社会科学学院歴史系副教授劉暁峰氏から、『雷神の日中比較研究』と題して、上賀茂神社の起源伝説を記述する日本の文献と中国古代における雷神信仰の比較から、越地域の稲作文化の伝播とともに浙東地域の雷神信仰が日本に伝来し、上賀茂神社の雷神伝説として取り込まれたとの報告を行った。これに対して、雷神の複数の系統についての資料的根拠がどうであるかとの質問があり、今後検討課題とした。 また、一般社会への成果の還元に積極的に取り組み、参加費無料の公開講演会や市セミナー等を独自に企画してわかりやすく研究内容を発表する」という目的を実行するために、12月5日に「第十回平泉文化フォーラム」を開催し、東アジアにおける平泉文化の意義、特にその仏教文化に見える中国からの影響を考察した。
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