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2005 年度 実績報告書

日中通俗文芸の体系化を目的とした先駆的研究--小説・芸能を中心論題として

研究課題

研究課題/領域番号 17083002
研究機関東北大学

研究代表者

勝山 稔  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (80302199)

研究分担者 輪田 直子  石巻専修大学, 理工学部, 専任講師 (90351254)
高西 成介  高知女子大学, 文化学部, 助教授 (50316147)
キーワード白話小説 / 佐藤春夫 / 今古奇観 / 弾詞 / 三笑 / 何必西廂 / 文言小説 / 太平広記
研究概要

平成17年度は初年度ということもあり、それぞれ研究に必要な資料収集や研究環境の整備に集中した。班全体の活動としては、中国長篇白話小説の専門家である井上浩一(東北学院大学講師)を招請し、専門知識の提供を目的とした研究会を実施し、中国通俗文化の日本受容の経緯を討論した。各班員の個別の研究は以下の通りである。
(勝山)明治以後の「中国短篇白話小説の日本への受容」について佐藤春夫・幸田露伴・井上紅梅・魚返善雄氏等の活動を考察すべく関連資料の豊富な滋賀県立大・鶴見大・東京大・北海道大・武庫川女子大等に積極的な資料収集を実施した。現在は収集資料の分析調査を行う一方、既に複数の草稿を完成させており、来年度以降順次発表の予定である。
(輪田)前年提出した学位論文で中心に取り上げた弾詞作品『何必西廂』は、読書用としては周到な形を呈するものの、上演実績のあまりない所謂「擬弾詞」である。一方、これと登場人物の重複する『三笑』は、弾詞の人気代表作として長い上演史を持つ。その人気の要因は、従来作品の話柄や芸人の技芸に求められてきたが、『何必西廂』にも共通すると考えられる語り手の文体に作品の特徴があると考えられる。この『三笑』の精読を通じ、弾詞本流作品のテキスト化の考察が今年度の主要な研究内容であった。また、同じ物語背景を持つ作品『九美図』の比較検討のため、国内所蔵施設に資料調査に赴き、複写した。
(高西)今年度は、まず古小説関係の資料の収集を行った。とりわけ、高知女子大学に不足している地誌をはじめとした基本的な図書を購入し研究状況を整備に取り組んだ。さらに、研究の基礎作業として、『太平広記』の読解に取り組み、訳註作業を行っいる。また、日中の文化交流の観点から、中島敦「山月記」の粉本として知られる唐代の伝奇小説「人虎伝」を取り上げ、「『人虎伝』をめぐって-その構造を中心に-」という題目で、中国中世文学会平成17年度研究大会において口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 中国白話小説の史学的価値とその可能性について2006

    • 著者名/発表者名
      勝山 稔
    • 雑誌名

      歴史と地理 591

      ページ: 26-34

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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