研究課題/領域番号 |
17083002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
勝山 稔 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (80302199)
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研究分担者 |
高西 成介 高知女子大学, 文化学部, 准教授 (50316147)
川島 優子 龍谷大学, 文学部, 専任講師 (30440879)
塩 卓悟 関西大学, アジア文化交流研究センター, 非常勤講師 (80449826)
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キーワード | 海のイメージ / 日中比較 / 太平広記 / 文言小説 / 井上紅梅 / 今古奇観 / 白話小説 / 金瓶梅 |
研究概要 |
平成21年度は最終年度となり、研究活動の成果が続々と発表された。班全体の活動としては、公開研究発表会を(1)中央大学(7月25日)(2)東北大学(3月15日)における公開研究会を開催と、(3)中日文化センター(2009年7月~12月:全6回)と(4)帯広市図書館(11月7日)では市民セミナーを開催し、参加者100名を越える盛会となった。各班員の個別の研究は以下の通りである。 (勝山)明治以降の中国白話小説の受容を考察したが、明治から昭和30年までに20名近い翻訳者を発見し、彼らの事跡に関して集中的に調査を行った。 (高西)『太平広記』に所収の説話の分析を引き続き行い、六朝から唐代までの海の認識を分析した。また、『夷堅志』も研究の視野に入れ、唐末から宋代への海の認識の変化に関して考察を行うと同時に、日本を含む環シナ海、環日本海における説話の比較検討も行い、その結果として東アジアを取り巻く環シナ海・環日本海におけるイメージの交流を明らかにした。 (川島)前年に引き続き江戸時代における『金瓶梅』の受容に的を絞って調査を進めた。まず、流布、受容の具体的状況を把握する為に、当時作られた随筆、洒落本、中国語関連の辞書類等の調査を行い、その上で、「玉里本」の位置づけを行った。 (塩)今まで読み進めてきた『夷堅志』の明州(現寧波)に関連する記事の訳注を近々公刊する予定である。また、宮内庁書陵部、国立公文書館、静嘉堂文庫、蓬左文庫などの国内諸機関に所蔵されている『太平広記』『夷堅志』両書の版本調査を実施した。
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