本領域研究は、中国の海港都市寧波を焦点として東アジア海域交流の歴史的経緯について調査し、日本の伝統文化形成との関係を考察するものである。そのために、全部で34の計画研究を設定して、それぞれに作業を遂行している。総括班は、領域に所属する個別の計画研究を総括し、共同研究として一体性を持つものたらしめるべく、領域全体にかかわる活動をおこなってきた。 正規の研究期間は平成21年度をもって終了したが、その成果報告書作成のための経費の申請が別枠で22年度に認められたため、そのための編集会議を8月に開催した。本経費は、この会議の準備作業(研究補助者への謝金)、関連する事務、および参加者の旅費に使用したものである。なお、ここでいう成果報告書とは、文部科学省宛に提出した個別計画研究の成果報告集6分冊のものとは別個に、全26冊からなる構成(20冊からなる「叢書」と6冊からなる「講座」)で制作刊行する、本特定領域に共通の課題を扱ったものである。 「叢書」20巻は、当初は21年度から逐次制作する予定であったが、とりまとめ担当者の逝去(21年10月)という想定外の事情により、予定より1年遅れて22年10月以降順次制作し、22年度中にこのうちの4冊が完成した。本特定領域関連経費は22年度をもって終了となるが、23年度においても引き続き編集作業を進めて逐次刊行する予定である。 また、「講座」は、本領域の重点項目6つに対応した巻別構成をとっており、編集作業を経て実際の制作は別経費により23年度に開始する予定である。
|