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2005 年度 実績報告書

近世東アジア海域に於ける数学の交流と展開

研究課題

研究課題/領域番号 17083006
研究機関東京大学

研究代表者

河澄 響矢  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (30214646)

研究分担者 岡本 和夫  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
小松 彦三郎  東京理科大学, 理学部第一部, 教授 (40011473)
渡邉 純成  東京学芸大学, 教育学部, 助手 (10262221)
キーワード東アジア海域における伝統的数学 / 『満文算法原本』 / 『格体全録』 / イエズス会 / 東西文化交流 / 数学史 / 医学史 / 満洲語言語学
研究概要

(A)満文自然科学書の研究。まず、本研究の一環をなすものとして、『格体全録』の日本所在の3写本に基づいて、書名、錯簡、本文の哲学的・医学的内容などを詳しく論ずる論文を公刊した。同書の本文に基づく詳細な研究としては、世界で初めてのものである。『格体全録』の前述3写本の電子入力を終了し、現在は言語の分析の補助資料として、満州語カトリック神学書の収集と電子入力を行なっている。また、『満文算法原本』の部分的な(序文と全75節中の29節)英訳と満州語原文のローマ字転写を公刊した。『満文算法原本』の本文のまとまった紹介としても、満文数学書の欧文への訳としても、世界で初めてのものである。さらに、『満文算法原本』と『格体全録』の語彙を言語学の観点から論じた論説を公刊した。
(B)中世期日本における実用数学に関する予備的調査。本特定領域を活用し、他班の日本中世史などの専門家たちと問題意識を共有することで、協力体制を構築した。
(C)宋元数学の日本での展開。小松は関孝和の「三部抄」すなわち「解見題之法」「解隠題之法」「解伏題之法」の山路主住本を復元し、これを基に校定本を作成。併行して關及び建部賢明、賢弘が著したとされる「大成算經」全20巻の校訂を続けている。同時にこれら古典の数学的内容と諸外国の数学の比較し、極めてゆっくりとしているが、東アジア海域からヨーロッパまで、これまで認識されていたよりはるかに深い文化交流があったという証拠を集めつつある。
(D)アジア数学史セミナーを定期的に計6回開催し、古典学、歴史学の専門家と協力してその研究手法を数学史に取り入れる基盤を整えた。うち1回は王権理論班、朝鮮思想班と共同開催した。また、中国科学院の呉文俊氏らを招聘し、海外での資料調査に必要な現地研究者との協力体制を構築した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 満洲語における自然科学術語について2006

    • 著者名/発表者名
      渡辺 純成
    • 雑誌名

      アルタイ語研究 I(大東文化大学)

      ページ: 69-108

  • [雑誌論文] 關孝和著『三部抄』山路主住本の復元2005

    • 著者名/発表者名
      小松 彦三郎
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1444

      ページ: 169-202

  • [雑誌論文] A Manchu manuscript on arithmetic owned by Toyo Bunko : "Suwan fa yuwan ben bithe2005

    • 著者名/発表者名
      Junsei Watanabe
    • 雑誌名

      Sources and Commentarie in Exact Sciences 6

      ページ: 177-264

  • [雑誌論文] 満洲語医学書『格体全録』について2005

    • 著者名/発表者名
      渡辺 純成
    • 雑誌名

      満族史研究 4

      ページ: 22-113

  • [雑誌論文] 満洲語資料からみた「幾何」の語源について2005

    • 著者名/発表者名
      渡辺 純成
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 1444

      ページ: 34-42

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2012-07-09  

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