杭州湾岸地域における都市・建築・歴史の構造

2006 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17083008
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 藤井 恵介 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (50156816)
• 研究分担者: 妹尾 達彦 中央大学, 文学部, 教授 (20163074) ; 高村 雅彦 法政大学, 工学部, 助教授 (80343614)
• キーワード: 杭州 / 寧波 / 長江 / 宋代 / 都市 / 五山 / 歴史 / 空間

研究概要

藤井恵介チーム:本研究チームは、中国杭州湾岸地域における禅宗、特に宋代の五山を中心の研究対象としている。まず従来の研究史の把握と、基本的な文献の蒐集を実施した。この地域を踏査した日本人研究者は伊東忠太・関野貞であり、近年では関口欣也による研究がある。これらの研究情報を収集した。次に、現地調査を1回実施して、五山その他の寺院の実態の把握を試みた。時期は2006年10月19日〜25日、上海・南京・鎮江・蘇州であり、そこに所在する五山寺院その他の主として寺院建築を調査した。今後のより精密な調査、研究のための重要な基礎資料を収集、検討することができた。これと並行して、日本から中国に渡った僧侶の記録を中心に、その足跡を跡付けること、どのような情報が日本にもたらされたのか、などを検討した。
妹尾達彦チーム:本研究チームが関わるシンポジウムを1回、海外調査を1回実施して、東アジアの海域交流全体の流れの中に、杭州湾岸地域の都市と建築の歴史を位置づけることを試みた。シンポジウムでは、中国大陸華北の都市史と、杭州湾岸を中核とする長江下流域の都市史の比較などを行い、その違いと共通性を整理した。
高村雅彦チーム:昨年度と同様に、「都市寧波」の現地調査を継続した。調査時期は2006年8月23日〜9月1日。今後の調査研究の視点の発掘に努めた。まちの隅々まで徹底的に歩き、道、川、街区、住宅、建設者、住人のそれぞれの相互の関係についてデータを収集し、主に街区構造と住宅について、実測・聞き取り調査を実施した。同時に、現地学術機関、特に上海同済大学、浙江大学と密接な協力関係を結んだ。