研究課題/領域番号 |
17083010
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
羽田 正 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40183090)
|
研究分担者 |
大石 高志 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70347516)
堀井 優 広島修道大学, 経済科学部, 助教授 (70399161)
深沢 克己 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (60199156)
四日市 康博 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 講師 (40404082)
|
キーワード | 港町 / 海域世界 / インド洋 / 地中海 / 異文化交流 / 東アジア海域世界 |
研究概要 |
1)分担者全員と研究協力者2名で、中国福建省沿岸地域の福州、甫田、泉州、厦門で現地調査を実施した。港湾施設の位置と現状、都市内外の宗教施設の位置と現状、外来コミュニティー居住区の現状を確認し、関連史資料を収集した。その結果、インド洋海域においては、前近代の港町が島や海岸に位置しているのに対して、中国南部では川をさかのぼった地点に立地していること、インド洋海域と比較すると、東アジア海域では媽祖廟のような航海神信仰が盛んで、関連施設が港町の都市プランの中で重要な位置を占めていることなどが明らかになった。調査中には、福建師範大学、厦門大学を訪れ、関係研究者との意見、情報交換を行った(2006年11月)。 2)地中海海域世界の港町と東アジア海域の港町の比較の視点を得るために、羽田と研究協力者2名で、フランスの港町で1)と同様の調査を行った。また、アンジェ大学の関係研究者と意見交換を行った(2006年8月)。外国人研究者2名を招聘し、歴史研究の方法と意味について考える研究会を実施した(2006年7月)。羽田と四日市は、文化交流部門の国際会議に出席した(2006年12月)。羽田、堀井、四日市は、現地調査部門の国際シンポジウムに出席し、羽田は総括ディスカッサントとして提言を行った(2007年2月)。羽田は、アメリカ・アジア研究学会年次大会に出席し、中島楽章とともに特定領域研究を代表する形で報告を行った(2007年3月)。 3)上記1)2)の活動を通じて、「東アジア海域世界」という地域の自然環境や地理的条件を意識しながら、その歴史的変容を総合的に理解することが必要だとの確信を持つにいたり、海域分野、環境分野の有志班と相談の上で、共同で「東アジア海域世界の成立と変容」研究会を立ち上げることに合意した(2007年2月)。
|