研究課題/領域番号 |
17083012
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
早坂 俊廣 信州大学, 人文学部, 助教授 (10259963)
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研究分担者 |
久米 裕子 (神林 裕子) 京都産業大学, 文化学部, 助教授 (10310749)
荒木 龍太郎 活水女子大学, 文学部, 教授 (90124164)
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キーワード | 寧波学術 / 黄震 / 万表 / 浙東学派 / 宗族 / トポフィリア(場所愛) |
研究概要 |
特定領域研究の初年度に当たり、研究の方向性について意識の統一を図るため、9月に班内の研究打ち合わせ会を設け、「トポフィリア」というコンセプトや思想史研究の方法論的課題について討論を行なった。10月には現地調査部門の研究会に全員で出席し、現地調査の方法論について他班と情報交換を行なった。また、2月に早坂と荒木の2名が現地調査に赴き、8日間、浙江省杭州市、寧波市、および上海市において、現地の研究者(浙江大学・何俊教授、浙江省社会科学院・銭明教授)との研究情報の交換、文献調査(浙江図書館、上海図書館)、および思想家に関連する遺跡の基礎調査(万松書院、白雲荘など)を行なった。現地調査の成果の一部については、研究者のみならず一般の市民も閲覧できるよう、研究代表者の早坂が所属部局のHP上でブログとして公表している。 個々の課題に関しては、研究代表者の早坂は、万表および万氏一族に関する基本的な文献(例えば、万氏の宗譜)の収集を行なうとともに、研究状況の整理に着手し、代表的な先行研究論文一篇の日本語訳作成をほぼ完成させた。研究分担者の久米は、黄震の思想が後世に与えた影響について総括的に考察するための基本作業として、本年度は、特に書誌学・経学の方面から検討を加えた。また、「東アジア海域交流」という特定領域全体のテーマにも関連する日本思想史(日本の経学)についての論稿も公表した。同じく研究分担者の荒木は、寧波の学術文化の形成における、近隣の紹興地域などの学術文化の影響・関与についての全体的な見通しを立てることを目指し、必要資料の文献リスト作成のための文献調査を東京・福岡・杭州・上海等で行なった。また、思想家と宗族、あるいは地域文化との関係について考察を深めるため、それらに関する先行研究を収集し、分析を行なった。
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