研究概要 |
5月と7月に班員同士の研究打ち合わせを設け,共同研究の深化を図った。8月20日から27日にかけて,班員全員で現地調査に赴き,浙江省杭州市・舟山市・寧波市・紹興市,および上海市において,思想家に関連する遺跡の調査(万斯同墓,全祖望故居など),書院調査(沢山書院,宗伝書院など),現地の研究者(浙江省社会科学院・銭明教授,寧波大学元教授・方祖猷氏など)との学術交流等を実施した。現地調査の成果の一部は,今まで研究代表者の早坂が所属部局のHP上でブログとして公表してきたが,新たな試みとして,地図や写真,思想史資料原文と現代語訳,現地調査報告などを有機的に組み合わせたデジタルコンテンツを作成することとし,完成版への足がかりとして,そのプロトタイプを制作した。プロトタイプ制作の相談のため,平成20年1月と2月にも研究打合せ会を設けた。個々の活動としては,研究代表者の早坂が,現地調査と思想史研究の方法論に関する研究ノートを公表した。また,特定領域研究の他班主催の国際ワークショップでコメンテーターを務めた。研究分担者の久米は,「東アジア海域交流」という特定領域全体のテーマにも関連する日本思想史についての書籍刊行に関わった。また,特定領域研究の他班主催の国内・国際ワークショップでコメンテーターを務めた。同じく研究分担者の荒木は,久米同様「東アジア海域交流」という特定領域全体のテーマに関連する「漢学」「漢文教育」という問題について論文を公表するとともに,国際学会での研究発表も行った。同じく研究分担者の安部は,台湾における宗教意識に関する現地調査を行うとともに,論文も公表した。
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