研究課題/領域番号 |
17083021
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
津野 倫明 高知大学, 人文学部, 助教授 (60335916)
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研究分担者 |
荻 慎一郎 高知大学, 人文学部, 教授 (60143070)
吉尾 寛 高知大学, 人文学部, 教授 (40158390)
荒武 達郎 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60314829)
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キーワード | 日本史 / 東洋史 / 黒潮 / 地域史料 / 東アジア海域 |
研究概要 |
本研究の目的は16〜19世紀を中心に黒潮圏における日本と東アジア諸地域との交流をその媒体(もしくは阻害要因)黒潮に注目して、日中の「地域史料」を調査・分析することで、当該地域間の交流の実像を明らかにし、寧波-博多を中心とする東シナ海域交流と比較史的に検討することであり、本年度は以下のような調査・班研究会・国際共同研究会などを実施した。 調査については研究会をかねて研究班として実施した2回の調査を中心に述べたい。1:沖縄県の調査(6月)では、豊見山和行氏ほか琉球大学教員との情報交換によって黒潮圏交流にかかわる諸史料の所在や研究状況に関する新知見を得るとともに沖縄県立図書館・与那国町史編纂委員会などで文献調査を実施し、また黒潮が接近する与那国島を踏査した。2:台湾の調査(10月)では、台北市文献委員会において文献調査するとともに中国-台湾間交流の要衝である台南耳鹿門・澎湖諸島などにおいて曁南国際大学濱島敦俊氏の協力のもと文献調査・現地調査を実施した。なお、1・2それぞれで津野・吉尾の研究報告もなされた。3:国際共同研究会「近世東アジアと黒潮圏交流」(12月)では、日本(森正夫氏・藤田覚氏・松浦章氏)・中国(李小林氏)・台湾(濱島敦俊氏)の研究者による研究報告と津野による基調報告がなされ、東アジア海域交流史における当研究班の存在意義や今後の展望に関する有益な議論が展開された(次年度、報告書刊行予定)。この国際共同研究会は岡元司・遠藤隆俊を代表者とする班と共催したが、後者とは他2回の国際的な研究会も実施した。 以上のような成果の一部が、領域内の現地調査研究部門を中心に開催された研究会「東アジアの海域交流:歴史と現地研究の方法をめぐって」における吉尾報告や「研究発表」に示した諸論考である。
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