研究課題
本研究は、前近代中国の諸王朝がどのような官僚システムを駆使して中央、地方、海外を結び、皇帝支配体制を実現していたかを比較検討することを課題としている。第2年度の平成18年度は、6月、9月、11月、3月と四回にわたり、研究集会を開催した。研究集会では、(1)政治空間の変化、(2)文書システムの変化、(3)中国沿海部の海防・交通体制、の3点を中心に意見交換を行った。さらに、各担当領域に必要となる図書を購入し、分担研究者のもとに設置した。とりわけ、大阪市立大学には、『中国方志叢書』の浙江省部分を購入した。研究分担者は、国内の図書館での資料調査を各自行ったほか、平田は寧波、中村は上海・北京、谷井は台湾での資料収集を行った。また平田は上海で開かれた唐宋時代の法律と制度に関する国際学会にて、宋代の文書システムについて報告を行った。また、当該テーマを推進するために、本年度は苗書梅(河南大学)、B.Bossler(U.C.デービス)、范金民(南京大学)、曹家斉(中山大学)、卞利(安徽大学)、陳春声(中山大学)などの外国人研究者に報告を依頼し、海外での研究状況について情報を入手すると共に、方法論について意見交換を行った。このほか、昨年度に引き続き「中国古代中世の宮室の構造・配置に関するデータベース」、「『盟水斎存牘』海防史料データベース」なとのデータベースの構築が進められている。
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人文研究 57
ページ: 243-256
中国・史学月刊 308
ページ: 95-102
人文論叢 23
ページ: 81-98