研究二年目にあたる18年度は、昨年度に策定した研究計画にもとづき、研究代表者および分担者がそれぞれ個別テーマに関する資料調査を行い、また学術会議などにおいて研究報告を行った。 帆刈は、引き続き国内外において、医療社会史関係の文献を収集し、さらに上海および香港の研究者との間で医療社会史に関する情報交換をはかった。飯島は、昨年度に引き続き、日本住血吸虫病対策関係の基本的な資料の収集につとめた。そして、上海や台湾において、医療史関係の文献収集につとめ、あわせて同地の研究者との意見交換を行った。東郷は、北京において江南地域の医学資料について調査を行い、また鍼灸分野における老中医の医療技術伝承に関して、情報の収集を行った。 研究成果発表、学術交流として、帆刈と飯島は2006年8月、中国南開大学主催による医療史の国際会議に参加し、それぞれ研究成果を発表し、学術交流を行った。東郷は、2006年9月、日韓科学史セミナーに参加、「東アジアにおける統合医療とWHO Project」という発表を行った。 2007年3月、医療社会史班主催で連続研究会を開催。東郷が「中国伝統医学における技術の伝承と国際標準化の今」を報告、討論を行った。このように、中国医療社会史研究において、東アジアにおける研究交流のネットワーク形成のための土台づくりを着実にすすめることができた。
|