研究課題/領域番号 |
17083033
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山本 英史 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90127796)
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研究分担者 |
武内 房司 学習院大学, 文学部, 教授 (30179618)
八尾 隆生 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50212270)
嶋尾 稔 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 助教授 (90255589)
三木 聰 北海道大学, 大学院・文化研究科, 教授 (90165986)
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キーワード | 寧波 / 雲南・ベトナム / 福建・琉球 / 地方統治 / 東洋史 |
研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き、メンバー各自の研究分担に関わる史料の収集とその校訂や調査および内容の分析に多くの時間を割いた。山本英史、武内房司、三木聰の中国班三名は、中国内地の浙江、雲南、福建のそれぞれの研究分担地域に関わる地方統治官が発行した行政文書史料の収集と調査を行うため、中国現地文書館や日本国内図書館を訪れ、新たな史料の発見に努めた。八尾隆生と嶋尾稔のベトナム現は、ベトナムにおけるそれぞれの研究分担に関わる史料の調査をさらに充実させ、新たな知見を得ることができた。 また、メンバー各自が行った活動の成果は定期的に開いた研究会の席上で報告・披露され、互いの情報を交換することによって研究の方向性をより明確にすることを可能にした。 加えて、本年度の活動において特筆すべきは、メンバー全員の参加によるベトナム調査を実施したことである。まず、東アジア世界の中でのベトナムの位置をマクロに把握するために11世紀以来の政治中心であるハノイ市の成り立ちを臨地調査し、その実態の把握に努めた。またその結果、ハノイ城の中心線の持続陸、城(中国モデルの政治区域)と川(水上交通)に挟まれた商業地区(かつての華僑街)からなる小規模都市の特性、前近代都市域にかって広がっていた田園と沼沢の植民地期の近代的都市化というプロセスを、いくつかの史跡および現地の専門家との意見交換によって具体的に認識することができた。さらに、ベトナムの地方官がいかに辺境地方を統治・防衛し、かつ地方の文化事業および経済活動を推進・統制して地域形成に寄与したかを、中国・琉球との比較の視点から具体的に考察するため、比較的アクセスの容易な中越国境の町ランソンを訪問し、その個別的な環境要因を踏まえて、団城跡、キールア市場町、友誼関、タンタイン関、三教寺、左府殿など、彼らの活動の痕跡である史跡や碑文を調査した。
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