研究課題/領域番号 |
17083035
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
寺尾 裕 東海大学, 海洋学部, 教授 (10138638)
|
研究分担者 |
八木 光 東海大学, 海洋学部, 教授 (80349331)
河邉 寛 東海大学, 海洋学部, 教授 (00384876)
渡辺 啓介 東海大学, 海洋学部, 助教授 (10297202)
安達 裕之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20012495)
|
キーワード | 進貢船 / 新案船 / 泉州船 / 海事史 / 造船史 / 復元船 / 水中考古学 |
研究概要 |
本年度の目的は、来年度以降のシミュレーション及び模型実験に先立ち、必要な文献や情報収集と研究ネットワーク作りであった。まず、韓国木浦の国立海事博物館を訪問し、新安沈没船及び同年代の韓国内航沈没船に関する発掘及び復元方法に関する現地調査を行った。館長と面談して今後の相互の情報交換、研究協力について確認した。国立光州博物館を訪問し、発掘された新安沈没船積み荷、航路等に関する情報収集を行った。次に、泉州沈没船に関する造船工学的研究の先駆者がいた上海交通大学を訪問し、以前より親交のある馬教授の案内で、交通大学内にあるC.Y.Tunが寄贈した中国船の歴史博物館見学を行った。馬教授及び博物館専門家と研究協力体制を確立した。同館に保存されている中国古船に関する文献、資料を入手した。さらに、泉州湾古船陳列館、国立海外交通史博物館を訪問し、泉州船に関する現地情報収集を行い、中国国内学会で発刊されている中国古船に関する文献、資料を入手してきた。 工学的内容としては、海外の復元船について線図データを作成する手法について基礎的な検討を開始した。海外の博物館においては、可搬性が高く、比較的簡易な装置で短時間に非接触計測を行うシステムが必要である。そこで、デジタル写真による立体視手法の可能性に着目し、3次元画像処理ソフトKURAVESを購入し、レーザーグリッドによる特徴点抽出の検討や現地撮影した写真による座標検出の検討を行った。また、現地調査した上記2船は上部構造推定根拠が明確でない部分もあるため、比較的完全な形で復元根拠情報がある琉球進貢船について、九州国立博物館の特別許可を得て、船体計測と線図作成を実施した。 最後に、帆走性能解析の専門家、海事史の専門家、和船の工学的検討の専門家を招いて研究会を実施し、今後の協力体制を築くとともに、今年度情報の整理と来年度以降の研究方針について議論した。
|