研究課題/領域番号 |
17083038
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
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研究分担者 |
吾妻 重二 関西大学, 文学部, 教授 (20192982)
千田 大介 慶応義塾大学, 経済学部, 助教授 (70298107)
山下 一夫 神田外語大学, 外国語学部, 専任講師 (20383383)
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キーワード | 民間信仰 / 文化遺産 |
研究概要 |
平成17年度においては、主として今後の研究・調査の方針の策定と、基礎的な資料の収集を行った。映像資料整理のためのコンピュータや映像機材、また現地調査に必要なGPS端末機器などの整備も行った。文献資料については、主に道教と民間信仰の儀礼書や現地調査の報告書、また台湾の儀礼に関する映像資料を中心に収集を行った。 日本と中国の宗教上の影響については、特に寧波一帯で宋代から明代にかけて盛んな信仰があった海神・招宝七郎神の調査を行った。招宝七郎神は現在の日本においても曹洞宗や臨済宗の寺院に伽藍神として祀られており、著明な神である。しかし現在の中国では廟などがほとんど残っていない。これと宇治の萬福寺における華光神、さらに現在中国における海神として広く知られる媽祖神との比較を試みた。同時に、七郎神と同様に禅宗寺院で祭祀される祠山張大帝について調査を行った。これらは中国のかつての信仰が日本の寺院において文化遺産として保存されたものであり、大変に貴重なものである。 また、平成17年12月27日〜平成18年1月2日の期間、現地調査の第一回目として、上海・寧波・杭州の寺廟の調査を行った。上海においては、上海白雲観・上海城隍廟を調査した。上海白雲観は近年移転したばかりで、新しい神像などが目立った。寧波では阿育王寺・天童寺を調査した。阿育王寺では七郎神の像が舎利殿に残されているのを確認した。杭州では抱朴道院・霊隠寺・浄慈寺・雷峰塔などの寺廟を訪問した。霊隠寺などでは済公の殿宇を造り、その信仰が盛んになっていることを確認した。抱朴道院においては、全真教の儀礼が行われていることを確認した。また寧波大学の日本研究所を訪問し、現地調査の情報を入手した。
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